そえだの勝ブログ

「門前薬局」から「かかりつけ薬局」へ=素朴な疑問ですがうまくいくかなあ?②

前回の続きを述べる前に、今回の薬価改定にも少し触れます。

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今の期間は政府の財政健全化の集中改革期間(16-18年度)にあたり、社会保障費の増加を5000億円まで抑制する目標が掲げられています。しかし、高齢化による医療・介護のニーズは増え、前年度比6300億円の増加が見込まれたため、差額である1300億円の減少をする必要に政府は迫られていました。そこで、「薬価狙い撃ち改定」と言われていますが、薬価引き下げにより、1900億円が生み出されることがわかりました。

そこで、薬価は引き下げられ、そうすると、6300億円-1900億円=4400億円となり、5000億円には600億円の余剰財源が生まれ、診療報酬は+600億円となったものの、薬価は既述のように-1900億円となりました。そして、さらに門前薬局については、適正化(報酬削減)により、-60億円となります。

要するに、お医者さんは+改定ですが、薬屋さんは-改定となります。

そんな背景がある中、話を本題に戻すと、患者側から見れば、お医者さんにかかるのは「値上げ」ですが、薬をもらうのは「値下げ」となります。さらに、前回記述しましたが、薬局の中でも、大手の門前薬局にはマイナス改定になる一方、患者からみればそこで薬を買うのは値下げになります。

果たして、それで、「門前薬局からかかりつけ薬局へ」という流れがうまくいくのかという疑問があります。その流れ自体は、患者をよく知っているから患者側に立ってくれる「かかりつけ薬局」を優遇していこうという考えはわかります。

しかし、患者からすれば、かかりつけ薬局で調剤してもらうよりも、大手の門前薬局で調剤してもらったほうが、具体的には数十円から100円程度安くなる改定になり、せっかくの良い流れをつくろうとしたにも関わらず、流れが逆行する懸念があると、私は考えます。実際に、私も地元で「かかりつけ薬局」という立ち位置の関係者からヒアリングしましたが、「大手門前薬局の報酬下げはペナルティーだが、これはかえって彼らの客を増やすことになり、逆によりもうかるのではないか」という懸念の声が多くあがりました。

私も全く同様の疑問を報酬改定素案があがった段階からもっていたため、今回、皆さんにも厚労行政の政策の矛盾について考えて頂くべく書きました。実際に知人の厚労省関係者にこのことを問いましたが、「報酬改定は常にそういう矛盾がはらむ」と認めていました。

しかしながら、本来は極力矛盾を少なくする政策を打っていくべきであり、非常に後味の悪い改定であると感じた次第です。ある意味、そこにも「逆介護保険」の考え方が応用できるのではと感じましたので、それはまたの機会に。。。

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このページは、そえだ勝の公式 Webサイトが2018年4月 2日 14:33に書いたブログ記事です。

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