そえだ勝ブログ

2017年7月アーカイブ

自助、互助、共助、公助という言葉がありますが、それぞれ、介護分野に当てはめて表現するとこんな感じかなと思います。

自助=日々の生活における自らの健康への留意や実践。

例え要介護状態でも改善への意欲をもち、それに向けてできる行動をとること。

互助=地域における支えあい(地域の絆やご近所の底力)

共助=皆で保険料負担を分担し、いつでも誰にでも起きうるリスクへの備え(介護保険)

公助=上記のいずれでも救えない方に対して、国や自治体からの救済

といったところでしょうか。この4つの概念の中で、最も曖昧で不安定な概念を機能させることが、生活支援コーディネーター(以下、「CD」と言います)の役割です。それは「互助」です。


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出典:厚労省


以下はある自治体の資料でよくまとまったものがありましたので、それを参考に、CDの役割を書きますが、CDは上図のように、地域の高齢者支援のニーズを把握し、それに見合った地域資源の状況を把握し、それを結びつけることが主な業務であり、互助を機能させていくためにはキーマンとなります。具体的には、地域において以下6つの取組を総合的に支援することが求められています。


Ⅰ、地域のニーズと資源の状況の見える化、問題提起

Ⅱ、地縁組織等多様な主体への協力依頼などの働きかけ

Ⅲ、関係者のネットワーク化

Ⅳ、目指す地域の姿・方針の共有、意識の統一

Ⅴ、生活支援の担い手の養成やサービスの開発

(担い手を養成し、組織化し、担い手を支援活動につなげる機能 )

Ⅵ、ニーズとサービスのマッチング


この6つをさらに、3階層に分けて、実行していきます。おp

●第1層 市町村区域でⅠ~Ⅴを中心に行う機能

●第2層 日常生活圏域(中学校区域等)で、第1層の機能の下、Ⅰ~Ⅵを行う機能

●第3層 個々の生活支援・介護予防サービスの事業主体で、利用者と提供者をマッチン

グする機能  


具体的には例えば、住民に最も身近な存在である第3層の人ならば、介護保険外のサービス(庭の草むしりや日常使用しない部屋の掃除等)のニーズがある場合、それを行うシルバー人材センターや家政婦紹介所、あるいは有償ボランティア組織等と繋ぐ役割を果たします。


一方、第2層の人は、中学校区単位、つまり、地域包括支援センター(高齢者福祉の総合相談所)と同等の範囲で、「介護保険をはじめとした公的サービスにはないが、高齢者が自宅で暮らし続けるために必要としているニーズは何か」をつかみ、それを満たす地域資源を発掘する役割です。

また、そうした地域資源が存在しない場合には、それを育成し、機能させることも求められています。例えば、退職した元気高齢者を対象に、虚弱高齢者の病院へのドアtoドアでの通院介助技術研修を開くといったこと等です。通院介助は私がヘルパーをし始めた2000年前後の頃は介護保険サービスとして認められていましたが、現在はドアtoドアですべての時間を担保することは認められていませんが、今でも非常にニーズの高いものです。


最後に第1層の人は、3層の現場の現実、2層からの中学校区単位でのニーズや地域資源等の現況、それらを取りまとめて、全市町村単位でどのようなニーズに優先順位が高く、ひいては、それを満たすためにはどんな社会資源が必要かを検討し、時には現場を代表して、市町村長にも物を申していかねばならないポジションです。


以上、簡単ですが、これから必要とされる、生活支援コーディネーターの役割についてでしたが、実は川崎市にはまだ、この機能がありません。そこはお隣の横浜市よりも遅れています。ゆえに、始めは私自身が活動の中で、第1層的な機能をも担う覚悟で、CDの育成に向けて動いていきたいと思います。私が初めて選挙に出た時のキャッチフレーズは「介護現場からの挑戦」でした。よって、現場を代弁できる数少ない政治家の一人として、そこは自覚をもって取り組んでいきたいと思います。

前回からの引き続きで、「③ご本人・ご家族を取り巻く、アクター(ケアマネジャー、介護サービス事業者、介護用品レンタル事業者等)におけるチーム単位での得られた成果」についてです。

③ ②を取り巻く、アクター(ケアマネジャー、介護サービス事業者、介護用品レンタル事業者等)におけるチーム単位での得られた成果

「チームでのプラス面はあったか」という問いに対しては、約8割が「あった」と答えています。とりわけ、「利用者とのかかわりが増えたから」というのが多くのその理由でした。また、そうした関わりの増加を理由に挙げた事業者は、そうではない事業者との比較において、「利用者や家族に意欲の向上が見られた」と回答した割合が後者よりも非常に多くみられました。
「利用者や家族と積極的に関わること」は質向上の一つといえるから、前回のブログで述べたように、「先に事業者の質向上があって、利用者満足度や意欲向上に繋がる」という私の仮説はそれほど間違えてはいないと感じました。

他には、「他のサービスや他職種のケア内容を意識するようになった」「職員から意見が以前よりもてくるようになった」「他職種も含め、職員間の連携がとりやすくなった」等の前向きな意見も比較的多くみられました。

一方で、マイナス面は、事業者全体の2割から指摘されていました。具体的には「職員のスキルによりケア内容に対するバラツキがあった」「職員間の意思統一ができなかった」等です。これは以前に「日本のケア技術を輸出しよう」の際に触れましたが、誰が行っても良質なケアが提供できる仕組み、つまり「ケアの標準化」は重要です。このマイナス面での結果はそれに至らないことを意味し、早急に考えていかねばならない指摘と言えます。

ケアの標準化ができなければ、介護士によりケアのばらつきが生じ、結果、利用者は一定の質が担保されたケアが受けられなくなることにも繋がりかねません。それゆえ、輸出の話に関連付ければ、バラツキのあるケアには商品価値はなく、せっかくの「日本の価値ある知財」といえる「日本型ケア」に対して、ブランディングもできなくなります。ゆえに、このマイナス面は注視しながら、現場の方々がそれを克服できるよう、私も動いていきます。

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以上、今まで2回の連載ブログも通して言えることですが、逆・介護保険導入により、次のような効果が期待できると感じました。「事業者が自立支援を意識したケア」を行い、「その良質ケアを他事業者とも共有してケアの標準化」へ。同時に事業者が「利用者や家族にも自立支援を意識して頂けるような接遇」を行い、それもまた事業者間で有効な手法を共有化。
 
それは「事業者の質向上」を意味し、それにより「ご本人やご家族の意欲向上」へと連動し、結果、「要介護度改善」に向かう可能性があることがわかりました。そして、その後にケアの成功した先進事例として、「海外にソフト商品として売り込んでいける」ことへと繋がっていくと確信しました。そのためにも、第一歩として、今回の調査でわかった事業者のマイナス反応をプラス反応に変えていくことが、まずはなされるべきことと感じました。

今後はマイナス反応をした事業者に対して、プラス反応を示した成功事業者の事例を共有してもらい、それを参考に目標設定をお願いし、そこへ邁進して頂き、「達成感」を感じてもらうところから動機づけを促していきたいと思います。一社でも二社でもプラス反応をする事業者が増えていけば、さらに価値ある政策へと昇華していくと信じます。引き続き、逆・介護保険から日本の福祉改革に向けて走っていきます。

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主に関係者の意識変革の視点から調査を行っています。逆・介護保険で最も大切なことは、事業者はもちろん、何よりもご本人とご家族の前向きな姿勢です。具体的に以下の3つの視点から、川崎市がアンケート調査を実施しています。

① 要介護度やADL(日常生活をするときの動作)の改善に向けて、事業者の意識変化や行動変化

② ご本人や家族の意識変化と行動変化

③ ②を取り巻く、アクター(ケアマネジャー、介護サービス事業者、介護用品レンタル事業者等)におけるチーム単位での得られた成果  


①要介護度やADL(日常生活をするときの動作)の改善に向けて、事業者の意識変化や行動変化があったか

この事業者の意識や行動の変化については、事業者の7割強がプラスの意識変化があったと答えています。
とりわけ、「要介護度やADLの改善を意識した視点を持つようになった」という変化が多く、まさに、この意識変革こそ、「高齢者を元気にする良質介護の第一歩」であり、逆・介護保険の一丁目一番地の狙いです。他にも、「職員意識が向上した」「職員の視野が広がり、ケア内容に幅が出てきた」という声も多くありました。

そのような事業者の多くは、積極的にアセスメント(利用者の状況調査)、支援内容、モニタリング(それらの評価をし、次に繋げること)のいずれかを積極的に見直したと答えてくれました。

しかしその一方で、「特に変化はなかった」という回答も1-2割ほど存在し、全事業者の理解を得ていくにはまだまだ、乗り越えるべき壁があるとも感じました。私は今後、ポジティブ(積極的・前向き)な変化があった事業者の詳細な中身について、それが全事業者へ共有されていくことが重要と感じました。そうした事例研究を通じ、1社でも多くの事業者がポジティブな意識変革へと繋がるよう、私は市と連携しながら行動していきます。

②ご本人や家族の意識変化と行動変化

これについては、プラスの変化があったという回答は6割、なかったが3割でした。
プラス面の方の詳細としては、「ADL(日常生活動作)の改善が見られた」方が半数近くおり、さらには「ご本人の意欲向上」に繋がった方も同じく半数近くおられました。また、家族については「意欲向上」「介護負担軽減」に繋がったと回答した人は2割強という結果でした。

事業者よりも、ご本人やご家族へのプラス面が劣るという結果を受けて、ある程度は想定をしておりました。政策を実行することでまず変えやすいのは実際にサービス提供を行う事業者です。そして、「事業者が提供するサービスが良質になることで、その受益者であるご本人やご家族に良い影響を及ぼすという流れ」になると仮説を立てておりましたので、その意味ではまずまずの結果であったと認識しております。

またまた、いつも通り長くなってしまったので、「③ご本人・ご家族を取り巻く、アクター(ケアマネジャー、介護サービス事業者、介護用品レンタル事業者等)におけるチーム単位での得られた成果」については次回に回します。  

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