そえだ勝ブログ

2017年6月アーカイブ

健康福寿プロジェクト(川崎市名称。以下、「逆・介護保険」と書きます)がモデル事業時代を含めると4年目、本格実施としては7月で丸1年となります。そこで、本実施の結果が出る前に、改めて今までの経緯と、6月時点でわかっている範囲で、また、その間の私の活動と絡めて、ご報告いたします。

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平成26年から川崎市でモデル事業としてスタートした逆・介護保険は、当初は参加事業者がわずかに10社程度でした。要介護度改善に対して優遇報酬を付与するという考え方は、きれいごとのように映ったのかもしれません。それを知ったときはさすがの私も萎(な)えました。しかし、逆・介護保険は「要介護度改善に役立つ、良質な介護を適切に評価する」という正しい政策ゆえ、必ず皆さんにわかってもらえるという信念はありました。

そして、翌27年の事業者募集では、その意義をご理解くださった事業者さんが増え、一気に100事業者を超える参加がありました。その間、前年の参加事業者さんからの口こみ、行政の賢明な周知、私も微力ながら市内の多くの場所で介護事業者への講演活動を行い、賛同者を増やすことができ、非常に達成感があったことを記憶しています。

そして、28年には200事業者近くに達し、現在は246事業者が逆・介護保険に参加頂いております。私も27-28年頃から、川崎市以外の県内はもちろん、北は青森から南は福岡まで、ありがたくも逆・介護保険の講演依頼を頂くようになり、「川崎の福祉改革から日本の福祉改革へ」という自分の志へ一歩でも近づけるよう、活動してきました。

その間に、神奈川県が川崎の取り組みをまねて、同じような取り組みを昨年からスタートさせました。さらには、国が来年度の介護保険法改正において、「要介護度改善に注力する自治体への補助金付与」という事業も盛り込まれることがほぼ確実となってきました。

川崎から県、さらには国へと、逆・介護保険が広がりを見せていることに感慨を覚えます。とはいえ、最終目的は、介護保険法改正の中で、逆・介護保険がしっかり位置づけられることですから、その意味ではまだまだです。とはいえ、まずは川崎でやれることをしっかり行い、その先のことを考えていきたいと思います。

次回以降は、この数年間の具体的な逆・介護保険の事業実績について触れていきます。
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今年度の政府予算の中で、環境省はパリ協定(アメリカや中国、インドをはじめ、195か国以上が批准。発展途上国や新興国等も含め、世界各国で行動を始めるという協定)を受けて、低炭素物流を後押しするため、37億円の予算を編成しました。

その中でも、目玉とされているのは宅配事業者との連携支援です。皆さんご承知の通り、昨今、宅配事業者が個人に配達する際の再配達のコストが業界を揺るがすほどの問題となっています。それに対して、具体的な打ち手として環境省が打ち出した事業は、個人あての荷物を保管する宅配ボックスを住宅街付近のコンビニや駅等に500か所設置するというものです。それにより、例えば会社勤めの方々が仕事帰りに荷物を受け取れるようにして、再配達を減少させ、宅配トラックから排出される温室効果ガスの排出を抑制していこうという狙いがあります。

私はその施策には賛同していて、あとは川崎市はもちろん、基礎自治体という住民の方々に最も近い行政である市町村がそれを設置するか否かにかかっています。その点から、現在も私は関係当局とそうした宅配ボックス設置に向けて目下、動いているところです。働き盛りの現役世代が多い川崎市の場合、他の自治体に先駆けてその取り組みを推進していくべきです。

以上は物流事業者の話ですが、私自身も含めて車を運転する個人については、「パーク&ライド」という手法も有効です。これもご存知の方が多いかと思いますが、一例を出せば、駅やバス停に向かう際に車を用い、あとは公共交通機関で移動する、というものです。無論、そのためには適切な場所への駐車スペースの確保が要されるので、それについても関係当局と議論を進めていきたいと考えております。

また、食事においても食べ残しを出さない、ということも温室効果ガスの削減には有効です。残飯を出さないことで焼却炉の稼働を少しでも減らしていく、つまり、「ゴミを燃やす機会を減らす」ということです。ごみの減量、使えるものの再利用、そして、リサイクルがとかくごみ対策としては注目されがちですが、この残飯を出さない、ということを日本全国の人が行えば相当の温室効果ガスの削減に寄与するものと思われます。

具体的なこの数的効果については調べ切れておりませんが、家庭から出る食料品廃棄物は約1000tといわれ、それは日本国内で生産される穀物の量とほぼ同じくらいとされています(この話についても意見があるので、それはまた、別の機会にさせて頂きます)。

つまり、一人一人が食べ残しを出さないと心がけることで温室効果ガスの削減のみならず、多くの食料品の無駄をなくしていくことにもつながります。最近は30・10運動というのものがあります。

30・10運動とは、宴会のはじまり30分と終わりの10分は席に座って、料理をしっかり食べよう、という取り組み。小さなことかもしれませんが、私はこの運動は後押ししていきたいと思っています。一人だけならば小さなことかもしれませんが、みんながやれば大きな動きとなります。そうした地道な努力こそがパリ協定遵守にもつながっていくと信じて。

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今回が最終稿となりますが、海外における「日本ファンの営業マン」に「日本介護」を売ってもらうためには、「売れるブランディング」が必要です。

何を言ってるのかよくわからないと思いますので以下簡単に。これは答えから先に言いますと、「介護技術の標準化」を進めていくことを意味します。これは昔から言われてきたことですがなかなか実現に至っていない、いわば古くて新しい議論なのです。日本の介護技術は確かに素晴らしいのですが、いまだに「暗黙知」的な要素が現場にはあります。それを「形式知」化すること、つまり、誰にでもわかるように「介護技術の標準化」をしていくべきです。そうすることによって、「ブランディング」の第一歩へとつながっていくと思います。

そこで、逆・介護保険とも絡んでくるのですが、逆・介護は「高齢者の方の容態を改善させる、良質な介護」を評価する仕組みです。そこで、事業者には良質な介護を逆介護でどんどん追求してもらい、標準化し、つまり、どんな介護士でも実践できるような形に形式知化する、すなわち、見える化します。
 
そうした地道な努力によって、標準化が図られることにより、国内での良質な介護が共有されるだけなく、来日する外国人にも理解されやすいものとなります。そして、標準化されたものをアジア各国の国情(医療状況や疾病の傾向、介護環境等)に合わせたものへと応用発展させていくことへとつなげていきます。つまり、各国にとってのモデルとなるような介護技術の標準化を推し進めていくことで、「知財」としての価値も出てきます。そうなると、海外の人材育成に資するのみならず、「輸出品」の一つともなっていく可能性も出てきます。

繰り返しますが、海外人材育成と知財輸出、さらには人材逆輸出(帰国する実習生を日本営業マンへ)のために、まずは介護技術の標準化が不可欠です。そして、標準化をするためには、質の高い介護技術を現場の方々がから創出して頂く必要があります。ついては、質の高い介護をすれば得するシステムも必要です。
だから、「逆・介護保険」なんです!しつこいですね(笑)。

今回は海外人材に焦点を当てて考えてきましたが、結局は逆介護に行きつきました故、今まで自分がやっていたことは間違いではなかったと再確認ができました。日本がアジアにおけるプレゼンスを高めていくことは、中国の台頭を考えれば、他のアジア諸国からも求められていることです。

その意味で、私の専門分野であるこの介護分野においても、その国益に資することができると再確認ができた機会となりました。日本は超高齢社会だからこそ、それいをマイナスに捉えるのではなく、今後のアジアの高齢化のモデルとなれるチャンスという捉え方もできます。アジアのリーダーとしての立場を引き続き守っていくためにも、高齢化だからこそ、よき機会です。私も微力ながら自分の出来ることから始めていきたいと思います。逆介護の更なる深堀りや講演等で広めていくこと、それが今まで書いてきたことのすべてに繋がる第一歩だと考えますので、引き続き、これらの問題について皆さんと一緒に考えていければと思います。
今回は日本がアジアにおける、「介護プレゼンス(存在感)」を高めるにはどうすべきかを皆さんと考えたいと思います。

まず、前回の最期に触れましたが、帰国する実習生には「日本ファン」、事実上の「日本の営業マン」になってもらう仕組みが不可欠です。そのためには、帰国後の彼らの雇用の支援もしてあげることをも視野に入れるべきです。実習という入り口だけでなく出口までをも考えてあげることで、実習生はキャリアプランが見え易くなることへ繋がります。将来像が描ければ、当然ながら彼らの仕事への動機づけ、つまり、やる気にも繋がっていくでしょう。

まずは来日する実習生を丁寧に育て上げ、できればそのまま日本で働き続ける人をふやしていきたいが、それだけでなく、帰国者への支援も手厚くしていくことを同時並行で進めるべきです。既述のように、帰国後の雇用支援の中でも日本にとって有効と考えられることは、彼らが現地の看護系学校の指導者になることと考えます。それゆえ、そうした教育機関を中心とした現地雇用先と日本の実習先との民民での提携について、政府は後押ししていくべきと思います。

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つまり、日本で学んだ人が現地で先生となることで、そこで教わる生徒にとっては日本に対する理解が進んでいく可能性があります。それこそが介護のみならず、「日本という国を世界に知らしめることそのもの」といえます。そうした教育を受けた実習生がそののち、来日した際は「ちょっとした知日派」的な形で日本の土を踏むことになると思われます。

そうなれば、受け入れ施設側の教育の手間も以前よりも省けるだけでなく、実習生が今までよりも早い時期に即戦力として機能することにもなるでしょう。そして、元々事前に日本のことを知ったうえで来日している彼らだからこそ、日本にとどまり働く可能性は従前よりも高まっていくことが予想されます。

その一方で帰国希望者には、既述のように雇用支援を行い、「知日派介護士」を増やす循環を回し、結果として「日本ファン」をアジア各国に作っていくことにつなげるのです。それこそ、介護の枠を超えた、日本のプレゼンスが高まること、そのものだと思います。

話がまた少し拡散してしまいましたが、日本の介護技術は世界トップレベルであることは間違いありませんので、それがアジア各国に広がっていくことは、日本にとってはもちろんですが、アジア各国にとってもメリットがあることです。以上より、国外においては日本の介護文化を広め、「日本ファン」を増やすシステム作りが大切ですが、次回の最終稿はそのためには、国内におけるどんな準備が必要かを考えていきたいと思います。

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