• TOPページ  >  
  • そえだ勝ブログ  >  
  • 素晴らしい日本の介護サービスを海外へ ② ~「外国人介護人材確保」からさらに先へ~

そえだの勝ブログ

素晴らしい日本の介護サービスを海外へ ② ~「外国人介護人材確保」からさらに先へ~

今回は外国人介護人材の活用を少し振り返ってみたいと思います。スタートは2008年の経済連携協定(EPA)からです。そして、インドネシアやフィリピン、ベトナムから約1500名を受け入れました。そして、介護施設等で働きながら、知識や技術を学び、介護福祉士の国家試験に合格すれば、ほとんど制限なくそのまま働き続けることができるというものです。

しかし、ここで思わぬ事態が発生します。それは資格取得者の帰国です。日本語の勉強から介護のホスピタリティまで、当事者は苦労に苦労を重ねそれを会得した一方、彼らを指導する側に当たる受け入れ施設も物心両面でのサポートをしたにも関わらず、こうした現象が起きました。その割合はおよそ2-4割というパーセントです。

なぜ、彼らは帰国を選んだのかといえば、厚労省の調査によると、「業務のハードさ」「家庭との両立が難しい」「体調を壊した」等々、金銭的待遇が悪かったというよりも、労務面での問題が大きかったようです。実はこの問題は日本人の介護士や看護師にもあてはまり、離職理由の小さくない割合がこれらの問題により占められています。いつもはこの労務問題は深堀しますが、今回は紙幅の関係上、その議論は別の機会にします。

一方で、日本での経験は「新しい経験ができた」「介護というものに触れられた」等々、肯定的に捉えられている面もありました。そもそも、インドネシアやフィリピン等には、介護職という職種は存在しません。彼らは母国ではあくまでも看護職です。国情の違いから、平均寿命が短いことや高齢者ケアは国や保険ではなく、家族に任されているためです。ゆえに、高齢者への接し方や介護手法等、高齢者の「医療支援」ではなく、「介護支援」、ひいては「生活を支える支援」は、彼らにとってはまさに初めて得た知見であったといえます。

つまり、EPAの送り出し諸国にとって、日本の介護というものは、全くの新しい職能分野といえ、それは日本が他のアジア諸国へ伝えることができる「価値」であると考えられます。そうした価値創造やそのブランディング(創造した価値をさらに高めること)により、それをアジア諸国に広めていくことで、介護だけでなく、日本そのものの価値が上がる一因にもなると思われます。

少し話が拡散しましたので、本題に戻すと、今後来日する技能実習生についてですが、彼らの語学のレベルはN4(基礎的な日本語がわかる)というレベルであり、N3(介護福祉士国家資格取得に必要とされるレベル)には達していない場合が想定されています。
(参考までですが、日本語能力試験を運営する国際交流基金の定義によると、N1-5という指標は、1が最高であり、1-2レベルはあらゆる場面での日本語が理解できる高い能力であり、4-5は学校や教室での日本が理解できる程度の能力とされ、N3というのはその中間くらいに位置する能力だそうです)

それゆえ、新しく来日する人への対応については、「日本からの帰国者との接点」を来日前にいかにもってもらえるかが重要になってきます。そこで、今後の日本の対応としては実習生の帰国を強制的に止めることはできないので、彼らが帰国してからのち、彼らが「日本のスピーカー」になってもられるような仕組みづくりが必要と、私は考えます。 彼らに「日本ファン」になってもらうということですね。

それが新しい来日者にとっては、来日前に日本語や日本文化、ひいては日本の介護に触れる機会ともなり、受け入れ施設にとっては一定程度の日本についての知見ある実習生を受けられることにも繋がっていくと思います。送り出し国と受け入れ国である日本とが、いかにウィンウィンの関係を築けるかが大切です。次回からの③と④はそのための具体策を皆さんと共に考えていく回です。

カテゴリ:

このブログ記事について

このページは、そえだ勝の公式 Webサイトが2017年5月30日 12:11に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「素晴らしい日本の介護サービスを海外へ①! ~「外国人介護人材確保」からさらに先へ。~」です。

次のブログ記事は「素晴らしい日本の介護サービスを海外へ③! ~「外国人介護人材確保」からさらに先へ~」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。