そえだ勝ブログ

2017年3月アーカイブ

混合診療(保険診療と保険外診療の併用)が話題になりますが、混合介護も同じように、介護保険内サービスと保険外サービスとを組み合わせて行うものです。

さて、以下、経験談を書きます。

一例を挙げると、訪問介護に際し、生活支援(高齢者宅の家事援助)サービスで部屋の掃除を行ったとします。この場合、「普段、サービス利用者が使用する部屋のみしか、掃除をしてはいけない」というルールが介護保険にはあります。

よって、「リビング、寝室程度しか、介護保険では掃除ができない。」ということになっているのが介護現場の状況です。私もヘルパー時代、「利用者がベランダで日向ぼっこが好きでそれが元気の源になっている」という方のお宅に生活支援で入った際、ベランダ掃除もおまけで行っていて、当時の管理者にこってり怒られた経験があります(笑)。。。

現行法では「サービス時間内ではあらかじめ決められた場所以外は掃除をしてはいけない」というルールがあり、当時の管理者が正しく、「私が違法行為をした」というようになってしまうのです。

つまり、「より良いサービスを行えば、損する」、「介護保険の矛盾に対する、逆・介護保険」と似たような構図ですが、サービス一つとってもそれが現状です。

これは保険外サービスの契約を行えば、違法というわけではないのですが、実際の介護現場は介護保険法のみの契約で、サービスに入っている事業者が大半のため、現場では「やる気あるヘルパーが全力を発揮できず、結果、利用者のニーズとは合致していない」ということが起きています。


そんな中、「公正取引委員会が混合介護を進める」と方針を打ち出しました。私はそれには大いに賛同します。

既述の違法行為の状況は書いた通りですが、それを避けるために、「介護保険外サービス」の契約、つまり、「混合介護」を広めていくことは重要なのです(無論、利用者は契約が増えるため負担は増えますから、低所得者対策は別途考えなくてはなりませんが。今回は紙幅の関係上、そこは触れません)。

それにより、ヘルパーの仕事が増えて給与アップに繋がりますし、利用者も慣れたヘルパーに納得いくまで仕事をしてもらえるというメリットがあります。

また、タイトルに「少子化だからこそ」と書いた理由は、今は「ダブルケア(介護と子育ての両方を担わねばならない状況=実はうちもそうなんですが)」の家庭が増えています。
今後、施設入所が一層厳しい状況になりますから、ますます、その流れに拍車がかかり、家事の負担が介護者家族によりのしかかってくることが容易に想像できるからです。
 
先ほどの掃除もそうですが、食事提供においては、現状では利用者のみの食事しかヘルパーは作ることができません。しかし、家族分まで作ることができれば、介護者の家事の負担は減り、子供にもより目をかけることができるはずです。

やはり、「余力があるからこそ、子供をつくろう」という気持ちになるのが現代人としては自然なことだと思います。

私も食事提供をしたことがありますが、「一人分も複数人分も手間はそんなに変わらないけどなあ」と感じていました。さらにおかしな経験では、洗濯をするにあたり「家族分と利用者分とを分けて、利用者一人分のみを洗う」という馬鹿げたことをしたこともあります。

そういう変なことが介護現場では起きかねない現状があるゆえ、私は「混合介護」を進めていきたいと思います。また、介護の社会化が介護保険ならば、子育ての社会化は保育だけではなく、ダブルケア者の家事負担軽減(混合介護)もそれにあたると信じているので、そこは推し進めていきます。

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●認知症対策②=小中学校における認知症を知る教育

添田:徘徊高齢者を見守っていける地域づくりには、早い段階からの意識づけが大切と思われます。その点で、認知症サポーター養成講座を若い世代も含めて広めていくことこそが極めて重要と考えます。そこで、本市も含め、多くの自治体では、小中学生段階における、認知症サポーター養成講座が授業に導入されるようになってきたことは好ましい動きと考えます。

核家族化がますます進む中、これは正確なデータがあるわけではないが、肌感覚として、子どもたちが高齢者と接する機会は昔よりも減っているものと思われます。それゆえ、学校という場所で、高齢者や認知症高齢者についての学びを深めていくことは有意だと感じます。認知症高齢者について知ることは勿論、同時に高齢者に対する優しい気持ちを育む、絶好の教育機会とも考えます。

そこで、本市における、小中学校での認知症サポーター養成講座の実施状況についての現状をお教えください。

健康福祉局長:認知症サポーター養成講座については、認知症に対する正しい理解と地域における見守りの輪の拡充に向けて、これまで4万人超の市民が受講しています。また、25年度より学齢期からの意識醸成に向け、各区役所、地域包括支援センター、地域キャラバンメイト等により、小中学生を対象に養成講座を実施ています。

今年度の中学校での開催回数と受講者数は、幸区3回・130人、高津区1回・466人、宮前区3回・629人となっており、合計7回、受講者数は1225人です。また、同様に小学生については、川崎区1回・136人、幸区2回・168人、中原区6回・327人、高津区3回・43人、宮前区3回・85人、多摩区14回・1410人、麻生区1回・14人となっており、合計で30回、受講者数2183人です。

添田:今の答弁によると、中学校ではあまり時間がとりにくい現状があると感じました。一方、小学生においては、各区によりばらつきがあるように思います。多摩区が積極的である印象を受ける一方、川崎区や麻生区では1回しか実績があがっていないとのことでした。前年度よりは徐々に増加傾向にあるとは仄聞しておりますが、まだまだ、全市的に見れば決して多いとは言えない状況と考えます。勿論、授業に組み込んでいくためには、各学校の校長の理解がどれだけあるかということに帰結するということも聞いてはおります。

そこで、私は学校だけでなく、例えば保護者や学校付近の地域にも積極的に働きかけ、認知症サポーター養成講座のコマ数を増やせるよう演出していくことも必要かと思いますが見解は?
 
健康福祉局長:現在、各区と連携しながら町内会や自治会等での講座開催の他、地域における金融機関、コンビニ、警察等、市民生活に関わる機関や事業所に積極的に働きかけ、養成講座拡充に取り組んでいます。また、新たに市内企業の方々に対する啓発パンフを作成し、認知症に対する理解とサポーター養成についてご説明させて頂くこととしています。

こうした取組と合わせ、小中学校等の教育の場においても、認知症を正しく理解することは重要ですので、今後も教育委員会や関係機関等と連携協力しながら普及啓発に努めてまいります。

添田:最後に教育長に伺います。健康福祉局としては、学校教育の場でも広めていきたいと考えている認知症サポーター養成講座ですが、先ほど、少しふれたように、校長をはじめとする教育現場の理解なくして、それは広がっていきません。

とりわけ、本市では先ほどの答弁に合ったように、中学校におけるそれは皆無に等しい現状があります。無論、教育現場が限られた事業日数と時間の中、養成講座を組み込んでいくことが容易ではないこともまた理解します。しかしながら、例えば昨今は部活動の休息が叫ばれている中、部活動の時間を減らして、養成講座をはじめとする社会性や精神性を子供たちが育んでいけるような機会を作っていくべきと考えます。

これについても各校の校長をはじめとする現場の理解が不可欠であるゆえ、健康福祉局のみの努力では養成講座の開催には限界があります。そこで、教育長のお力添えを頂きたいが見解は?

教育長:将来の地域や家庭の担い手となる児童生徒が成長していく過程で、認知症を正しく理解することは重要です。現在、小中学校において、総合的な学習の時間の福祉教育等として、認知症サポーター養成講座を活用する学校が増えてきています。また、中学校においては大学教授を招聘し認知症の理解を深めるための講演会等を実施している学校もあります。

このような取組を通し、児童生徒の理解が深まることで、社会全体の認知症の支援の輪が広がることに寄与すると捉えております。今後も引き続き、各校長会等で、その趣旨を周知し、養成講座等を通じて認知症に対する理解が深まるよう支援するとともに高齢者への温かい心が育つよう取り組んで参ります。
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●認知症対策①=徘徊者対策

添田:本市も今年度の高齢化率は19%を突破し、65歳以上の方々の約17%が要介護認定者という状況になってきました。以下は本市のデータではなく内閣府のデータですが、全国的には65歳以上の世帯は4割を超え、そのうちの過半数は独居、あるいは老々夫婦世帯となっています。 

そんな中、超高齢社会においては認知症高齢者も当然ながら増加していきます。さらに、今、申し上げたように世帯構成も高齢者のみの世帯が増加しているため、そうした世帯に認知症発症者が存在する場合、その現状を家族任せにしておくべきではありません。即ち、地域単位で見守っていく機能が重要と言えます。

これもまた、本市のみではなく内閣府のデータではありますが、65歳以上の7人に1人が認知症発症者とされていますが、約10年後の2025年にはその比率が5人に1人へと増加すると予測されています。さらに、85歳以上に至っては4人に1人が認知症状があるとされています。

それらの点からも、認知症対策は待ったなしの状況であります。とりわけ、認知症発症者の中でも徘徊を伴う方の場合、それに対応する家族の苦労は言語に絶するものがあります。

Q1、そこで、本市における徘徊高齢者の対策について、現状と課題を教えてください。

健康福祉局長:はじめに本市におきましては県内の自治体と連携を図り、徘徊の恐れのある方の情報を事前登録していただくことで、各自治体の他、地域包括支援センターや警察と情報共有しながら、徘徊高齢者の早期発見を図る「徘徊高齢者SOSネットワーク事業」を実施しており、登録者数は本年1月末現在で618人となっております。
また、GPS機能付きの専用端末を利用し、徘徊して行方不明になった際に、位置情報を検索する「徘徊高齢者発見システム事業」については、本年1月末現在で33人の方が登録しております。さらに、コンビニや金融機関等々の連携による「地域見守りネットワーク事業」により、徘徊高齢者を発見した際の区役所等への連絡体制を整備している他、「高齢者等緊急通報システム事業」について、昨年10月、新たに携帯型の端末を導入し、認知症高齢者や要介護認定を受けた若年認知症の方も利用対象としたところです。
次に今後高齢化が進展し、高齢者数が増加することに伴い、高齢者を取り巻く状況がますます多様化していく中、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるように、本人や家族を始め、関係機関団体、民間事業者等に対し、認知症に関する正しい知識と徘徊高齢者に関する本市の取り組みを浸透させ、理解の輪を広げることで、認知症の方とその家族を地域において見守り、支える取組が進んでいくことが重要と考えます。

添田:徘徊対策は本市のみならず、全国の自治体でも様々な取り組みがあります。例えば、福岡県久留米市では、「まもるくん」という防災情報提供メールがあります。防災情報提供メールの存在は本市にもありますが、同市が特徴的なことは、徘徊高齢者の情報についても、個人が特定されない形で、その情報がメール登録者にはシェアされることです。例えば、「赤い帽子をかぶり黄色のセーターと黒いズボンを履いた70代位の男性が~~付近を歩いていると思われ行方不明です」、というような情報が配信され、その情報を受けた市民は当該者の捜索を意識した行動をとってもらえるような工夫をしています。人口約30万人の同市では、そのメール登録者が約7000人近く存在します。よって、およそ2%もの市民がメール登録者といえ、それだけの数で捜索をするということであり、実際に通報件数が増加しているという事実もあり、これは本市でも一考に値すると思われます。

また、先日テレビ報道もされましたが、埼玉県入間市では、徘徊高齢者やその恐れのある方にQRコードのついたシールを指に貼り、それをもとに、その方の居所自治体がわかるというシステムを採用していて、全国的にも注目を集めています。無論、こうした取り組みには「本人への人権侵害ではないか」「認知症患者であるということを世間へさらすことになるのではないか」等々、当然反対意見も存在しますが、私はそんなことよりも、行方不明の状態を解消することのほうが超高齢化時代においては大切であると考えるため、そうした施策には賛同しています。

このように、本市は徘徊高齢者を地域で見守っていけるような体制構築や警察等と連携体制を強めていくことなどを通じて、あらゆる対策を重層的に打つことで、どれかには徘徊者が引っかかってくるような施策が必要と思われますが、こうした事例も踏まえ見解はいかがでしょうか。

健康福祉局長:徘徊者は様々な状態の方により適切なサービスが提供できるよう、現行の事業を含め、充実させることが重要です。現行事業の有効性を図るため、「徘徊高齢者等SOSネットワーク事業」においては、従来、事前登録者の情報提供を各区役所から所轄警察署に紙媒体で行っていたが、昨年3月から本市を含む蹴んない自治体の新規登録者等の情報を、県を通じて県警本部に電子データにより提供し集約することで、徘徊発生時に所管警察署から県警本部への迅速な照会が可能な体制としました。

また、「地域見守りネットワーク事業」では、現在は50の事業者・約2000の事業所や店舗に協力を頂いています。今後は「徘徊高齢者発見システム事業」については、利用される方に専用端末を携帯していただくことが前提ですが、専用端末を常時携帯していただく工夫事例を集約し、利用促進を図ってまいります。

また、各区役所や地域包括支援センターに加え、川崎市ケアマネージャー連絡会への周知や、川崎市認知症コールセンター「サポートほっと」との連携を強化しながら、本市が取り組む事業の一層の普及啓発に努めてまいります。

いずにしても、認知症に関する知識の普及、早期発見、早期対応、家族介護者が抱える悩みや不安の軽減、徘徊への迅速な対応等の取り組みについて、引き続き、総合的に推進する必要があります。久留米市や入間市の取り組み事例を検証しながら、必要な施策を検討して参ります。


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