そえだの勝ブログ

逆・介護保険②

6月議会や福島復興支援ツアー、参院選等々、様々予定が立て込み、更新が遅れすぎたこと、まずはお詫び申し上げます。

さて、先般書きました、岡山市が導入を図る、成果報酬的介護保険についての続編です。
今回はその課題について、誤解なきよう繰り返しますが、これはあくまで、岡山を応援する意味で書きます。辛口になるかもですが、介護保険を持続的なものにしていくためには必要なことですし、岡山と、そして、何よりも、川崎市民の皆さんと一緒に考えていく意味で書きます。

課題① 成果の定義設定

⇒そもそも、要介護度数改善のみをもって、成果といえるのかということです。例えば、要介護者が筋力トレーニングをすれば、一定の要介護度改善効果は見込めます。
しかし、それが事業者から無理矢理やらされているとすれば、それは何とも違和感があり、いわば、「作られた要介護度改善」に対して、インセンティブを付与することは妥当と言えるのかという疑問です。

そこで、私は利用者満足度と要介護度改善がリンクするシステムを想定しています。図示すると、以下のようなイメージです。

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これもまだまだ、未熟な提案に過ぎませんが、要介護者やその介護人(息子や娘等)とケアマネージャー(要介護者の介護プランナーのこと)とは、頻繁に情報交換をしていますから、満足度を調査することも十分可能だと思います。もちろん、その後に、ケアマネージャーの意見を集約して報酬に反映させるという手間はかかるものの、私はこの考えを岡山市の担当者に今度、話してみたいと思っています。


課題② いつまでインセンティブを付与するか
⇒この特区は、事業者の報酬にインセンティブを付与するわけですが、そのインセンティブは1回こっきりなのか、それとも、数か月なのか、あるいは対象者の次回認定時(要介護度を測定する機会、通常は半年に1回)までなのか等、時間軸も考えなければ なりません。私は次回認定時までがわかりやすいと思いますが、その間は、要介護者(利用者)の自己負担金もアップするため、考慮が必要です。

しかし、私は、それは利用者に対して、しっかりと説明責任を果たすことで乗り切るべきと考えています。むしろ、「良質な介護には、それ相応のコストがかかる」という認識を、国民の間に深める良き機会かと思います。

質の悪い介護と、質の良い介護とが、十把一絡げで同じ報酬になっている、現状の方が、私は、「悪平等」そのものだと思っています。

課題③ 果たして本当に財政適正化に繋がるのか

「どのくらい加算するか」の設定によっては、本当に財政適正化に寄与するのかどうかという、保証はありません。例えば、前回ご紹介した、下図のような報酬アップを図る場合、その不安は生じます。

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赤丸のように、ある人の要介護度が、3から2に改善した場合、3よりも高い報酬を、2に付与することは、財政適正化の点からは、自己矛盾になりかねません。無論、上げることは不可欠ですが、上げすぎは注意が必要です。一度、上げてしまったものを下げるというのは、なかなか、難しいものがあります。

故に、報酬の上げ方には慎重を期すべきです。しかし、視点を広げれば要介護度改善は、医療費軽減に繋がる可能性があるため、介護保険だけでなく、医療保険も含めた社会保障費全体のパイが縮小するという考えは成り立つかもしれません。ただ、そうした話は以前から着目されていますが、その因果関係が証明されたことはありません。

それゆえ、私個人としては、合理的な理屈付けができる介護保険内での財政適正化の実績を積むことからはじめるべきと考えています。つまり、報酬アップは絶対に不可欠ですが、現段階では、報酬を3ほど上げる必要はないのではと考えており、それよりも、良質な介護事業者としての広告宣伝に注力すべきと思います。

そうした現実的なところからはじめ、国民の理解も得ながら、進めていった方が持続性があるのではと思っています。ただでさえ、今までの介護保険は「猫の目行政」といわれるように、2年に1度の小改正がありますが、とても小改正とは思えないほどの改正っぷりでした。その都度、現場で制度に翻弄されてきた自分の経験は記憶に新しいところです。

以上、思い入れが非常に強い分野だけに、長くなりましたが、この岡山市の挑戦には、本当に大きな期待を寄せているため、手厳しくも自分の意見を遠慮なく述べさせて頂きました。この考え方自体は、岡山市や本市だけでなく、全ての自治体の利益に資する可能性があります。すなわち、国益に十分に沿うものであるとという確信が私にはあるため、これからも岡山市に注目し、むしろ、どんどん、良い意味で市域を超えて、関与しながらお役に立ちたいと思っています。そして、それを本市に還元できるよう、努めていきます。


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このページは、そえだ勝の公式 Webサイトが2013年7月23日 15:32に書いたブログ記事です。

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